三本指のロボット型の針金人間(WM-9)[ワイヤークラフト立体作品]

三本指のロボットみたいな針金人間 完成

どうも、針金(ワイヤー)でヒト型の作品を制作していますカズです。

最近の制作では、「密度感」にこだわって制作しています。密度感というのは針金の間に隙間がほとんどない状態ことを指すのですが、そうすることで作品がずっしりがっしりとした重厚感のある印象になります。

密度感のある作品というのは、当然ワイヤーを数えきれないほど留めていく必要があり、留めるときにもグラグラしたり簡単に曲がってしまわないように強度を与えるような留め方をするのが重要になってきます。(こちらに強度を確保する留め方の考えについて書いています)

 

 

針金人間の全体図

今回も顔は無造作に作りこむ感じで、目、鼻、口といった人らしさを感じさせるパーツはありません。(ポーカーフェイスと呼んでいる顔無しタイプです)

顔の無い針金人間だとやはりロボットらしさを感じます。そんな今回の針金人間を画像と一緒に見ていきましょう。

 

三本指のロボットみたいな針金人間

制作しているときは、自分の中で「これ以上ワイヤーを足したらこの部分だけサイズが大きくなりすぎる」とか「これだと形がくずれてしまうのではないか」と不安がありました。そんな不安と裏腹に制作を終えて、全体の雰囲気を見てみると思った以上に作品が細く、そしてまとまっているように見えます。

制作終盤になると結局、上から押さえつけるようにして留めたり、留めた部分を上手く経由してズレないように巻いて束ねるという作り方になります。(制作ポイント)

 

三本指のロボットみたいな針金人間

首が太く、なで肩気味なシルエット。強度を追求するためにワイヤーが次々と足されて、たくましい感じになるのは自然なことだと思います。

横を向いた三本指のロボットみたいな針金人間

ただ立っているのではなく、S字カーブを描いた自然な立ち姿にすることが出来ました。安定した自立にするため足は大きめにし、ワイヤーもふんだんに使って上半身に負けないぐらいのボリュームにしました。

 

 

作品のパーツごとの詳細とこだわりなどについて

針金人間は、頭・胴体・腕・足の大きく四つに分けられるパーツによって構成されています。

従来の針金人間はそれらのパーツをそれぞれある程度作りこんでからつなぎ合わせるという制作方法によって完成します。しかし、今回の針金人間は頭を作り込み、あらかじめ胴体と手足をつなげた状態である「骨格」を制作した後にワイヤーを足す「肉付け」によって作品を作っていく方法で制作しています。

 

今回は、部位ごとに作品の特徴を見ていきたいと思います。

 

頭部

三本指のロボットみたいな針金人間の顔(正面)

パイナップルのような形に見える顔。黄色に変えて、緑色の髪にしたらソレっぽくなりそうで面白いです。

作って改めて思うのが、最初は内側からしっかりと作りこんでいくのが重要だということです。どうしても最初は絵を描くときのように顔の輪郭を作りたくなってしまうのですが、そうすると中がスカスカになったりサイズが大きくなってしまいます。

 

三本指のロボットみたいな針金人間の横顔

形を先に作ったので、中が少しスカスカしてしまった気がします。ただ、顎のラインが出て前と後ろの区別ができて口みたいな造形になったのが良かったと思います。

 

三本指のロボットみたいな針金人間の後頭部

後頭部はいつも止める部分が似通っています。2mmのアルミワイヤーで同じような形を作るので、必然的に形と作りは似るのでしょう。

頭のパーツを作るうえで注意しなければならないのが、骨格の中心で首辺りがスカスカになりやすい点です。首をねじりワイヤー2本で表現することが多い(首らしさを感じる)のですが、そうすると真ん中にワイヤーがないため空間が出来てしまうのです。

なので、骨格をつくるときに中心にワイヤーを最初に垂らしてしまえばよいというのが今の考えです。ワイヤーは常に外側に足していくので、結果的に内側のワイヤーは外殻に守られている状態と変わりません。なので実は強度を考えずに中心の密度感を意識する作りも必要なのかもしれません。

 

 

胴体

三本指のロボットみたいな針金人間の胴体

頭・胴体・手足のパーツをあらかじめ留めて繋がっている「骨格」を作る方法で制作をここ見ました。

作った結果、やはり各パーツのつなぎ目の強度は以前よりアップしているのでしばらくはこの作り方を採用したいと思います。骨格を作ってから肉付けする方法だと、やはり脇の下や股の下が狭い構造になるので、留めるのが難しくなります。そのため必然的にねじりワイヤーや長めのワイヤーでピンと張って引っ張って固定する作りになりました。

 

 

背中

三本指のロボットみたいな針金人間の背中

ハンドメイドの特性上、長さが微妙に違ったり、留める位置がずれたりすることはあります。

左右対称も意識して制作しても、「留めるときの作品の持ち方」だったり、「留めるワイヤーのわずかなズレ」だったり、「留めるときのペンチの角度」だったりといろんな要素が含まれた結果のズレなので左右非対称も作品の味であると捉えています。

 

 

三本指のロボットみたいな針金人間の手

実は最後の最後に出来上がったのが、腕のパーツです。「骨格」の段階では、ねじり巻きワイヤーで5,6本ワイヤーの先が余るので、それを指にしようという考えで作っていました。(上腕部分や前腕内部に骨格として用いたねじり巻きワイヤーが確認できる)

 

いつも悩まされるのが、指先に強度を持たせながら形作っていくということ。結果的にねじり巻きワイヤーの余り部分の隣り合ったワイヤーを揃えてから指先は互いに留め合って、指の腹は巻いて残りの部分を前腕の形作りがてら留めて固定しました。(長くて何を書いているかわかりにくいですが、要するに上図のようになったということ)

 

 

三本指のロボットみたいな針金人間の脚

悩みポイントのひとつである足(足首から下の部分)。骨格の段階では一切作りこまれていなかったので、一から足を作ってから骨格と接続。

足裏の輪郭から作って、横線を足しては足した横線に次は縦線を足し・・・と「横・縦・横」と組み上げていって形を作りました。密度感はあまり実現できませんでしたが、なんとか形にできたかなぁと苦戦した思い出。

 

三本指のロボットみたいな針金人間の脚

いつものようにちまちまとワイヤーを足していた時に全然形が出来ていないことに気が付きました。そこで思い切ったのが、「ねじり巻きワイヤーをガツンと付けてしまえ!」と強引に取り付けたことです。

思ったより造形が崩れなかったのと、中間部分でワイヤーを引っ掛けてやれば固定できて一体感も出るということがわかりました。

 

 

制作して気が付いたこと

ワイヤーを留めて留めて留めまくるぐらいの意識で制作するのが思った以上に重要だと感じました。そうしないと強度は生まれませんし、密度感や見映えも整わないと思います。

最近思うのが、強度と見映えの両立というテーマの基で作品制作していますが、それを実現する方法は「巻いて束ねる」なのだと思い始めています。一本のワイヤーを留めていく方法では三点留めという方法が強度を確保できますが、留める部分が多くなるため凸凹した印象になります。

ですが、留める部分は引っ掛けるポイントになりますし、ねじりワイヤーの溝も巻くときのガイドになるので、制作の終盤は今まで留めてきたワイヤーの繊維たちを巻いて束ねることで一つの組織(パーツ)として形が出来上がるのだと思いました。

 

まだまだ作り方が確立していませんが、少しずつ得た経験値をもとにより洗練した作品を作りたいと思います。

 

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