一本の針金(ワイヤー)を曲げて留める。これが最も簡単なワイヤークラフトの作り方だと思います。この方法でも十分な作品が出来上がります。
しかしながら一本ずつ足していくやりかたでは、作品の面を作るときや厚みを作るとき、さらには強度を考えることも大事になるので大変です。何より時間が必要以上にかかってしまう効率の悪い方法ともいえます。(一本ワイヤーを足すだけでも色々と考えてしまうので)
なのでワイヤーを束ねて一気に広さや厚みを出すというのが効率的な考え方になります。自分は作品を作るときに作品の強度を意識して制作していますが、そのときよく使うのが捻じり(ねじり)ワイヤーです。ワイヤーはねじることで格段に強度が増します(箸を束ねれば折りにくくなるのと似ています)。
なので作品を作るときに体(胴体)の骨格にねじりワイヤーを用いています。さらにねじりワイヤーは作品の良いアクセントになって見映えが良くなるように感じます。
そんなねじりワイヤーの魅力をさらに引き出す方法が浮かんだのでメモとしてここに残すことにしました。図を交えて見ていきましょう!
[ねじり巻きの制作過程と解説]
「ねじり巻き」というのは便宜上つけたものなので、あまり気にせずに見てください。この方法はねじりワイヤーにさらにワイヤーを巻き付けていくことで厚みのある束ねられた針金の束になります。規則的に巻かれているため見映えが綺麗なのが特徴です。(もちろん強度もさらに増しています)
まずはねじりワイヤーを用意します。ねじるときは二本のワイヤーの角度をそろえることが綺麗なねじりにするのに大事です。またワイヤーの重ね方で右巻きか左巻きかが決まりますので、作品作りに使う場合は注意が必要です。
一本のワイヤーを長めに切り出し、ねじりワイヤーに巻いていきます。巻くときにねじりの網目に沿って巻いてくのがポイントになります。網目に沿って巻いていくと上図のようにねじりを一つ分飛ばして巻くことになると思います。
この段階でグルグル巻きにしようとするとねじりに逆らって巻くことになってしまうので上手く巻くことができません。
もうひとつねじりワイヤーを用意します。用意するねじりワイヤーは長めにするのがポイントです。これをさっきのワイヤーの飛ばして巻いていなかった部分に巻いていきます。
そうすると、ごつい針金の束になります。この段階ですでに指で曲げるのはかなり難しいです。(強度に関しては十分すぎるかもしれません)
そこにさらにワイヤーを一本巻いていきます。なるべくねじりワイヤーの方に沿わせて巻いていきます。(ねじりワイヤーに最初に巻き付けたワイヤーの上に巻くことになるため左に寄せて巻いています)
拡大するとこのようになります。かなり見映えが良くなりました!
よく見ると、まだ隙間があるのでもう一本ワイヤーを巻いてみました。
今度はさっきの巻いたワイヤーのすぐ右側を巻いていきます。うまい具合にワイヤーが隙間に収まって一本の太い束になります。巻く方向が同じなので統一感があり、まとまった印象になります。これを作品に用いればと考えると楽しみでなりませんね!
注意点として、このねじり巻きワイヤーを作るときにもしかすると巻いたときに浮いてしまうことがあるかもしれません。それはねじりに沿わせて巻けていない。あるいは巻くのが緩くて緩んだ部分が邪魔になっていることが考えられます。
以上の手順で「ねじり巻き」ワイヤーの完成!!
端の余っている部分は、連結に使ったり他のワイヤー組み合わせるために使います。使いどころに悩みますが、それがハンドメイド(手作り)の面白いところであり難しいところですね。
インスタグラムなんかでワイヤーの作品を見ますが、クオリティが高すぎてとても真似できるものではないですね。自分自身はワイヤーのみでの作品制作にこだわっていますが、例えばジュエリーを主にワイヤーで巻いている(ワイヤーラッピングと呼ばれている?)作品はワイヤーを複雑に編み込んでいたり巻いたりしているので、見映えが綺麗すぎて圧倒されます。どうやって作られているのかわからないです。(端の処理とかどうなっているんだろう?)
ただこういった素晴らしい作品を眺めていた時に今回の「ねじり巻き」という技法を編み出したようなものなので、少しは技術を吸収できているのかなぁと思いました。
わからないなりに考えてやってみると意外に出来ていたりとなんとも不思議な世界です。今回ご紹介した「ねじり巻き」は強度と見た目の綺麗さとが両立したすんごい方法なので参考になればと思います。
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